先日、今日の保育はどんな様子かな?と各クラスをのぞいていると、ある年少組のクラスに入った途端、ひとりの女の子がとっとっとっと近づいてきて「えんちょうせんせい!わたしたちみんな元気に楽しく遊んでいますから」と報告してくれました。そう、みんなベールやスカートを身につけておままごとをしたり、線路と積み木をつなげたり、空き箱を切ったり貼ったり、それは楽しそうに遊んでいました。私はびっくりするやらおかしいやら・・・。「そうか、私は、皆が元気に楽しく遊んでいるかを見守る存在と認識されているのだな、」と幼い方達の観察眼の鋭さに、また一本取られたと感心しました。
お弁当や給食を持ってお昼にお邪魔すると、「えんちょうせんせーい、ここにきていいよ~」「ここ、ここ、ここあいてるよ~」と大歓迎してくれるのは年中組。どうしたものか…と私をじーっと見ているのが年少組。年長組は、「ここ、いいですか?」と近づくと、そのテーブルに座っている全員が、すっすっすっとランチョンマットをずらして、丁度いいスペースを私のために空けてくれます。そして食事をしながらの楽しい会話にも上手に仲間入りさせてくれるのです。幼稚園生活の小さな1コマですが、それぞれの年齢の私への心遣いが感じられ、嬉しいものです。
各クラスの担任と子ども達との関係性は、それに比べて何と自然で、すでにあ・うんの呼吸、息が合っていること間違いなしです。子ども達がこれ以上ない全幅の信頼を担任に寄せていることが分かります。1年を終えようとしている今は担任にとっても、最も幸せで教師冥利に尽きる時期なのです。
その子ども達の信頼に応えるように、担任達も先日のクラス参観では大いに張り切りました。担任達の願いはただ一つ、「幼稚園で見せる一番良い姿をお父さん、お母さん達にも見て頂きたい」です。その一心で趣向を凝らし、何度も計画を練り直していました。ベースにあるのは、この一年間にこの子ども達と楽しんだ活動です。いっぱい遊んだこと、わらべうた、そして子ども達が好きだった絵本やお話し遊び、作ったこと、歌ったこと、笑い合ったこと。それらを思い返し整理することは、この一年間の保育の省察にもなります。この子ども達は、何をしたら一番喜ぶか、何をしたら一番生き生きと楽しめるか、いつもと違う状況でも緊張しないで力を発揮できるか、それを経験から熟知している担任が、子どもの興味と関心、自主性に基づいて内容を構成する。それが、ひなぎく幼稚園の子ども達の発表の仕方であると私は考えています。参観していても楽しいと思って頂ける時間となればこれ以上の喜びはありません。
来る19日(土)の保育修了式には、83名の子ども達がこの幼稚園を巣立ち、広い未来へと巣立っていきます。神様の祝福を心から祈ります。そして、年少・年中組の皆さんとも、育ち合った仲間との成長を喜び合える3月にいたしましょう。
今年度も保護者の皆様方から頂いたご協力に心から感謝いたします。