東京都西東京市のひなぎく幼稚園のホームページです。

ひなぎくの保育 ~子どもへのまなざし~

夏休みと夏期保育を経て2学期がスタートします。


天候不順だったとはいえ、どのご家庭でも子育て時代ならではのかけがえのない思い出が作られたことでしょう。今年も、子ども達が先を争うように口にする数々の報告を楽しみにしています。

幼稚園の夏の預かり保育には、多い日は30人程の子ども達が集まっていました。大場先生を中心に、担当者にとっては常に参加者の健康状態に細心の注意を払い、安心、安全を第一に、空模様も気にしながらの毎日でした。一方、子ども達は、その日の仲間と一緒にプールや園庭で遊び、お弁当やおやつを食べ、おしゃべりをし、お昼寝をして夏の幼稚園ならではの一日を過ごしていました。年齢、クラスを越えた出会いも多く、いつの間にかお友達になり異年齢が仲良く過ごす様子は、私の目に微笑ましく、又たくましくも映りました。毎日のように、愉快なエピソードも生まれたのですよ!2学期以降も、家庭的なひなぎく幼稚園の預かり保育を上手に利用して頂けると嬉しく思います。

さて、教職員は、この担当や日直を交代しながら、研修にも励みました。
実はひなぎく幼稚園の研修先一覧には必ず7月と2月に、「佐々木セミナー」の名がありました。「子どもへのまなざし」(福音館書店)の著者、児童精神科医 佐々木正美先生のお話を2日間にわたってたっぷり聞ける研修会でした。私も、毎年横浜の会場に通い、そのテキストは宝物となっています。もう一つの宝物が、傍線だらけ、付箋だらけの「子どもへのまなざし」です。この本が出版されたのは1998年ですから、丁度三人の子育て真っ最中の時でした。表紙とカットを描かれた山脇百合子先生に頂き、一気に読み、以来子育てに悩んでは繰り返し開いて、先生の文章にその都度助けられたのをよく覚えています。
佐々木先生には1998年9月にひなぎく幼稚園の父母会講演会にも来て頂きました。その穏やかな温かい口調がホールに静かに響き、皆で聞き入ったことは今でも忘れられません。先生は去る6月28日に81歳で天国に帰られました。その報に触れ、もう一度「子どもへのまなざし」を手に取った夏でもありました。

その本の書き出しには、佐々木先生の思いが凝縮されていると感じる1節があります。
子育て真っ最中の皆さんに向けてのエールですのでここに紹介します。
「皆さんに今、この時期の子どもがいらっしゃったらその子どもの生涯にとってとても価値のある子育ての時期に立ち会っているのだと考えて、誇りと責任を持って頂きたいと思うのです。そして、できたら喜びや楽しみを持って、子育てをして頂きたいと思います。」
「子どもへのまなざし」(福音館書店)は是非お手元にお持ちになることをお勧めする一冊です。この子育ての喜びや楽しみを味わいながら今学期もご一緒に歩みましょう。

(加藤 記)